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その日竜海は、白地に紅葉が一カ所刺繍された着流し、上に紺色の羽織り下駄を履いた和服姿で。
ほんの少しだけ着崩した着方をしており、胸元がはだけ、フェロモンを醸し出している
竜海のこの服装を、ファンであり顧客の誰も見ることが出来ないまま終わる事になる。
「おす!竜海」
「何だお前か」
「何だとは何だよ。今月こそ俺がナンバーワンになるからな!」
「そのセリフ何回目だよ。」
「とにかく!覚悟しとけ。」
「はいはい。」
幼なじみで店のナンバーツーとそんなやり取りをしていたときだ。
空で何かが光り竜海は嫌な予感を感じ歩みを止めると、空を見上げた。
「どうしたんだよ。」
歩みを止めた竜海を不信に思い足を止める。
男めがけて何かが降って来る。
男は気がついていないようだ。
竜海がそれが何か解った時には既に遅かった。
槍だ、ペンみたいな形をした、巨大な槍が男目掛け唸りを上げながら近づいている。
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