1章

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酷く暗く、 何もない。 そんな空間で僕は目覚めた。 目覚めた、と言う言い方には語弊があるかもしれない。 目を開けても、 閉じても見える景色なんて変わらない。 一面に広がるのは黒。 漆黒。 暗黒。 そんな表現しかできない 何もない空間。 ここに繋がれて何年、 いや、何百年何千年が経過したんだろう。 とにかくそれぐらい長い時間をここで過ごした。 もう自由だった期間よりも長く繋がれてる計算になる。 ま、自分が何歳かなんて概念、 僕は持ち合わせてないんだけどね。 でも、それだけ長い時間ここで過ごしたから、変化にはすぐ気づける。 ほら、来客だ。
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