1章

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僕の目の前の空間に魔素による渦ができる。 この空間に干渉できる人物を 僕は1人しか知らない。 いや、1人しかいない。 その渦から現れた男は一言だけ こう言った。 [ついてきなさい。] 脳内に直接響くその声に肯定の意思だけ示し 久方ぶりに自由になった手足の感覚を確かめる。 僕が手足を動かしているのを 男はしばらく見て、 また渦の中に消えていった。 男の気配を 見失わないように僕も渦を作り出し、 何も思い出なんてないこの空間を後にした。
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