1章

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「…この問題を解決できるのはこの天界のなかでも儂かお前だけであろう。じゃが儂がノワールへ干渉してしまうと世界に異変をもたらす。天界を離れるわけにもいかん。」 ふーん。 ここまでの会話で大方の予想は着いた。 咎人である僕を使ってまで解決したい問題。 そして、この問題を解決できるのは天界では神を除けば僕だけ。 「…で?誰が下天したんだい? 僕の予想では、ルシファー君あたりだと思うけど。」 下天って言うのは天界の者がノワールへ降りること。 でも、許可なく下天するのは禁忌の一つになっているんだ。 そして、ルシファー君って言うのは天界で若くして大天使の位に登り詰めたほどのトップクラスの実力を持っている。 神の横にいる天使長もそれなりに若く見えるけど、 ルシファー君の出世のスピードは尋常じゃなかった。 通常、大天使の位までだと才能のある天使でも何百年かかる過程をわずか80年足らずで終わらすんだからね。 あの頃は大騒ぎだったよ。
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