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「もしもし?」
貴方の声を聞くと聞きたいことも分からなくなって慌てて切ってしまった。
電話の貴方の声聞くだけで息の仕方も分からなくなる。
でももっと聞いていたい。
そう思い貴方に電話をするのはかれこれ63回目だ。
私の番号に出てくれなくなった。
それでもまた貴方の番号を指で探してる。
貴方の声が聞けない日なんて耐えられない!
友達まで利用して貴方の家をつきとめた。
勇気を振り絞って貴方の後を追う。
貴方は足が早いから、私は自然と駆け足になる。
ああ今日も貴方が見れた。
それだけで私は幸せなの…。
ホントは貴方にもっと近づきたい…。
内気な私はどうしてもその一歩を踏み出せないでいる。
自分のしてることがどういうことかも知ってる。
ストーカーだって気づいてる。
こんなことしてゴメンね…。
でも、貴方の事が本当に好きなだけ…
お願い…気づいて…!
ああ今日も私はこの道を歩いてる。
この公園の風景も、この川も私のいつもの風景…。
この川を右折したら貴方の住む三丁目だ。
少し歩くと、赤い屋根の貴方の家が見えてくる。
貴方の事、何だって知ってるよ?
二世帯住居ってことも。
可愛い妹がいることも。
“もえ”ちゃんって名前のことも。
家に帰ってくる時間帯も。
貴方の部屋も。
電気が付く時間だって分かるんだよ。
お願いこんな私を怖がらないで…ただ好きなだけなの…早く気づいて…?
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