33人が本棚に入れています
本棚に追加
『シンジーお待たせー』
麻衣さんが校舎から走ってきた。
セミロングで少し明るめ、サラサラの髪を靡かせ笑顔で近付いてくる。
小柄で童顔、明るい性格の麻衣さんは学校でも人気者だった。
ついこの前まで同級生のリュウジと付き合っていたはずだったけど別れたのかな?
『どうしたの?』
麻衣さんが俺の顔をのぞき込んできた。
『いやっ別にっ何でもないっすよ』
『ははぁ~ん、お主さては良からぬ事を考えておったな?』
『そんなんじゃないっすよっ、ただ…』
『ただ?なぁに?』
凄く顔が近いっ
10センチもないんしゃないかっ?
小悪魔のように笑う麻衣さん。
これにみんなやられるんだろうな…
『あんまり可愛いかったから見とれてましたよ』
『あらっシンジもお世辞が巧くなったのね(笑)』
『いや、マジで…』
『さぁ行きましょ!』
校門の前にも関わらず麻衣さんは腕を絡ませてきた。
ある意味羨望の眼差しだが、三年生の中には俺を睨んでるヤツもいるし(汗)
周りの視線がイタイ。。
下校の道のりも二人で腕を組んで歩くと景色が違って見えた。
近所のスーパーでも彼女の振る舞いは変わらず、
『新婚カップルってこんな感じなのかな?』
なんて思ってにやけた。
『何が食べたい?シンジは好き嫌いあるの?』
麻衣が食べたい!
なんて言えるはずもなく、
『椎茸以外だったら何でもいけますよ』
『フフフ、椎茸嫌いなんだ。子供ね。』
『だってあの甘ったるい感じが…』
とまぁそんな事を言ってスーパーでハシャいでいた俺達だったが、親父から一万も貰ってたから焼き肉を食べることにした。
最初のコメントを投稿しよう!