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古びた人売りの店。
店の奥には目玉商品となる少女がいた。
美しい金色の髪、海を切り取ったような瞳。
表情を消してただ座っている少女は人形のように美しかった。
しばらくすると太った男が少女の首に着いた鎖をひいた。
少女の売買の時間が来たのだ。
男は少女を横に立たせると
男「本日の目玉商品はこの娘だ!類い希な歌声と美貌の娘の値段は700万ジュール!!さあ、早い者勝ちだ!!」
男は早口で捲し立てると少女の背を少し押して前にださせた。
すると、客の一人だろう男が
客1「歌を聞かせてくれないか?」
と言った。
男は少女に歌うように言った。
だが少女は表情一つ変えず男の言葉を無視した。
男は少女の鎖を乱暴にひくと
男「今すぐ歌を歌え!」
と怒鳴った。
客は口々に歌えないのかと文句を言う。
男は少女の髪を掴むと乱暴に床に叩きつけた。
少女は少し表情を歪めると男を睨み付けた。
殺気のこもった瞳に男が怯むと少女は客の方へ視線をうつした。
這うように殺気が広がって行く。
しばらくすると一人の青年が手を上げた。
青年「その子を買うよ」
回りは驚いたように目を見開く。
男は慌てながら青年から700万ジュールを受け取り少女の鎖を解いて店に引っ込んだ。
青年は少女の手をひいて近くの店に入った。
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