出会い

2/7
前へ
/15ページ
次へ
古びた人売りの店。 店の奥には目玉商品となる少女がいた。 美しい金色の髪、海を切り取ったような瞳。 表情を消してただ座っている少女は人形のように美しかった。 しばらくすると太った男が少女の首に着いた鎖をひいた。 少女の売買の時間が来たのだ。 男は少女を横に立たせると 男「本日の目玉商品はこの娘だ!類い希な歌声と美貌の娘の値段は700万ジュール!!さあ、早い者勝ちだ!!」 男は早口で捲し立てると少女の背を少し押して前にださせた。 すると、客の一人だろう男が 客1「歌を聞かせてくれないか?」 と言った。 男は少女に歌うように言った。 だが少女は表情一つ変えず男の言葉を無視した。 男は少女の鎖を乱暴にひくと 男「今すぐ歌を歌え!」 と怒鳴った。 客は口々に歌えないのかと文句を言う。 男は少女の髪を掴むと乱暴に床に叩きつけた。 少女は少し表情を歪めると男を睨み付けた。 殺気のこもった瞳に男が怯むと少女は客の方へ視線をうつした。 這うように殺気が広がって行く。 しばらくすると一人の青年が手を上げた。 青年「その子を買うよ」 回りは驚いたように目を見開く。 男は慌てながら青年から700万ジュールを受け取り少女の鎖を解いて店に引っ込んだ。 青年は少女の手をひいて近くの店に入った。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加