哀しい音

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教室に入ると愛里が周りを見渡していた。 俺を見つけると笑みを浮かべて手を振る。 「勇人こっち。」 「…。」 何も言わずに空いていた愛里の後ろの席に座る。 栗色に染められた髪の毛に、少しきつめの目をしている。 それに似合わずに、甘えたがりで良く甘えてくる。 「タバコ臭い。」 「嫌なら別れろよ。」 「別れないよ。勇人が好きだもん。」 眉間にシワを寄せたかと思えばニコッと笑い俺を見る。 俺はその顔から視線を反らし、自分の髪の毛に触れた。 新入生歓迎会の時から愛里は周りに、可愛いだとか綺麗だとか言われている。 それにも関わらず、俺と付き合っていることを公にしたことで、俺をあまり良く思ってない野郎もいるみたいだ。
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