優しい心底

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コンクリートとの段差に腰掛けてタバコに火を点けると、隣にチョコンと座った。 「アイツと別れたんだ。」 「うん。だから先輩に電話したんですよ。」 膝を抱えて小さく話す。 「悪かったな。力になれなくてさ。…アイツ紹介したのも俺だし。」 「先輩悪くないですよ。先輩は見た目とかはちょっと不良ですけど、人のこと考えてるじゃないですか。」 ふふ。と軽く笑った千葉を見て、俺も軽く笑った。 「先輩のそういうところに私は何度も助けられましたよ。きっと愛里先輩は先輩のそういうところが好きなんですよ。」 綺麗な黒髪に月の明かりが反射して、千葉の笑顔が凄く綺麗に見える。 「俺のこと褒めるの愛里と千葉ぐらいだよ。広之達ですら友達じゃなかったら近づかないって言ってるし。」 皮肉混じりに話すと「そうですね。」と千葉は笑った。
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