40人が本棚に入れています
本棚に追加
コンクリートとの段差に腰掛けてタバコに火を点けると、隣にチョコンと座った。
「アイツと別れたんだ。」
「うん。だから先輩に電話したんですよ。」
膝を抱えて小さく話す。
「悪かったな。力になれなくてさ。…アイツ紹介したのも俺だし。」
「先輩悪くないですよ。先輩は見た目とかはちょっと不良ですけど、人のこと考えてるじゃないですか。」
ふふ。と軽く笑った千葉を見て、俺も軽く笑った。
「先輩のそういうところに私は何度も助けられましたよ。きっと愛里先輩は先輩のそういうところが好きなんですよ。」
綺麗な黒髪に月の明かりが反射して、千葉の笑顔が凄く綺麗に見える。
「俺のこと褒めるの愛里と千葉ぐらいだよ。広之達ですら友達じゃなかったら近づかないって言ってるし。」
皮肉混じりに話すと「そうですね。」と千葉は笑った。
最初のコメントを投稿しよう!