哀しい音

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地元より少し寒いこの町で、新しい生活が始まって3週間。 いい加減寮生活にも慣れて楽しくやっている。 ポケットからタバコを一つ出し、口に加えては火を点ける。 煙りが広がり、口の中がタバコの臭いでいっぱいになる。 ガチャッと部屋の扉が開き、隣の部屋の友達が入ってくる。 「勇人(ゆうと)。講義始まるよ。」 「すぐ行く。」 重い腰を上げ、タバコを加えたまま講義の準備をする。 もう少し吸えたが、灰皿に押し付けて火を消し、友達に声をかける。 「行くか。」 「はいはい。また愛里(あいり)ちゃんに臭いって言われんだから。」 「もう一年近く付き合って慣れてるっつうの。」 愛里は俺の彼女で、県外の全寮制であるこの学校にまでついて来た。
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