哀しい音

4/9
前へ
/39ページ
次へ
講義中に睡魔に負けて、机に突っ伏して寝ていると髪の毛を引っ張られる。 「…ん?」 重い瞼を上げ、欠伸をする。 「勇人はゴールデンウイークに家に帰る?」 「…帰るけど、愛里は?」 「おばあちゃん家に泊まりに行こうかなって思ってたんだよね。」 「ふーん。じゃ、楽しんで来いよ。俺は俺で好き勝手してるわ。」 愛里は笑いながら、俺の顔を見ると口を開く。 「浮気はダメだよ。」 「…ああ、つか、今までしたことねぇし。」 「わかってるよ。勇人は根は真面目だし、裏切ったりできないもん。」 遠回しに俺のことを馬鹿にしたような発言をする。 見た目が不真面目だとでも言いたいような発言だ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加