僕が今、君を愛する事も許されますか。

哀しい音

講義が終わり寮に戻る。

部屋は狭く、快適とは言い難い。
それでも、ベッドとテーブル、冷蔵庫とテレビがあるため不便でもない。

１８時に飯を食べた後は、俺の部屋が一番快適だと人が集まる。

｢勇人、タバコ。｣

｢ふざけんなよ。この間買ったやつほとんど吸いやがって。｣

｢だって、俺にタバコ教えたの勇人だろ。｣

｢勝手に吸ったくせに良く言うな。｣

毎日毎日、日にちが変わるまで騒いでいて会話がなくならないと思う。

毎回、毎回最後には女の話になるのだが。

｢愛里ちゃんが彼女とか羨ましいよ。｣

｢毎回言ってるけど、好きなら告れよ。それで俺が捨てられたって文句言わないから。｣

｢そういう余裕があるところがカッコいいよな。｣

トイレ、と立ち上がり共有のトイレに足を運ぶ。