夢の入口

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そんなことを思っていたら、行き止まりだった。  …鏡がある。 そこには私が写っていた。 おかしなことに私の目は紅く光っている。  なんだか薄気味悪い… 誰だって嫌だろう。 勝手に紅くかえられた目は何故だか妙にあっているような気にさえなる。 鏡を見つめてどれくらいたったろう… 手で触れてみた。  手は鏡という物質にはあたらず、中へ飲み込まれていく。 感触は、生暖かい。 私は鏡に写る自分がゆらゆら揺れているのを見て、目を閉じながら足を踏み出した。  
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