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「運転、気をつけてね」
わたしの言葉に
生返事をした母は
「柊華の方こそ、
戸締まりしてよ!」
眉間にシワを寄せて仁王立ちした。
祖父母の家は、県内だが
車で1時間ほどの距離だ。
まだ夕方だから、
運転に心配はないと思うけど…
「何かあったら、すぐ
お母さんか、お父さんか、
おばあちゃんちでも
電話しなさいね!!」
…はいはいはい。
過保護っぷりに呆れつつ
走り去る車に手を振ると
一つ先の曲がり角に
キレイな髪の男の子が見えた。
―ウチの制服だよねぇ…
近所にはいないハズだけど…
その制服姿の男の子に
少し違和感を感じながら
わたしは家に入り、
母の言いつけどおり施錠した。
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