始まり To 終わり

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 戸惑う研究者たち。  自分たちだけでは判断できない、として大統領に連絡が入った。すぐに国連での世界会談が行われ、グレイ型の要求を呑むことになった。 「じゃ、早速取り掛かろうか」  結論が出るまでセンターで生活していたグレイ型は、国連の意向を聞くと、すぐに研究者たちのところへ向かった。  因みに全裸だ。海で暮らす彼らに衣服は不要だそうだ。一物も退化し、繁殖は液体状になって交じり合うことで行われるそうだ。 「まずは、スペースシャトルを一台貰いますね」  一機で約18億ドル(約2160億円)もする物を貰うというので、流石に研究者たちは止めた。  だったらシャトルを作る部品を、と言うので、シリコンバレー一帯の工場をフル稼働させ、6時間ほどで、部品はそろった。 「これに、あれとそれとこれも……」  グレイ型の指示で、取り寄せた部品と追加の部品を工場に運び、組み立てていく。  作業は三か月を丸々使い、ついに完成させた。天蓋のついたベッドのような機器が二台できた。 「これは、転送装置。所謂ワープをするための機械さ。片方に乗せた物を、もう片方から取り出せる。大きさもシャトルに乗る大きさにしたから、宇宙へ行って機械に採取させるなんて賭けをしなくても良くなった」  グレイ型はそう言うと、次の作業に取り掛かった。自分の指を切り落とすと、それを核にして、アームを作り出したのだ。 「これをシャトルに着けて、アームに後で作る特殊な箱を持たせて採取させて、装置で地球に飛ばせば簡単だろ?」  口が良いとは言えないが、テキパキと作業を熟していくグレイ型を、研究者たちはなれたように見ていた。
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