そこにある左手

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非常に生々しく今にも動きそうな手だったが、とくに血の跡などがあるわけでもなく、ただ壁のかなり下のほうに手がだらんと垂れ下がっているだけだったので、俺は「きもちわりーな…誰の悪戯だよ」と思いながらそのままスルーして通り過ぎた。 特にその日はそれだけで何もなかった。 そんな事も完全に忘れて1週間ほどたった頃、俺はまたその地下道を通って某書店へ行く事に
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