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「長治さんも祐造君が生まれた頃はまだまだ暴れてたのよ?」
噂好きの近所のおばさんに捕まったのは葬儀が終わり、来客も落ち着いた頃だった。
「はあ…そうなんですか」
初めての喪主としてのあいさつやら次から次へとくる弔問者の応対で疲れていたので抜けた返事を返すが、ふと気になって尋ねる。
「父は若い頃はどんな人だったんですか?」
「もう、手のつけられない暴れぶりでね…祐造君が生まれてからも頻繁におばさんが奥さんからあなたを預かってあやしていたのよ?」
「それは……ありがとうございます」
言われてみれば、確かに自分が幼児の時によくおばさんの家で過ごしていたな。
どうも実家に帰ってからは忘れていた記憶が思い出しやすくなっているらしい。
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