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蝉の声をBGMに、太陽の光をいやと言うほど浴びる。
7月22日。夏休み初日。
「気をつけるのよー」
お母さんに手を振り、元気よく扉を開けた。
扉の目の前には、一人の男性。
「…先生、待ち合わせ場所は近くの公園のはずじゃ」
「橘が遅いから来てやった。早く乗れ。」
妙に機嫌が悪い、この男性。
この人こそ、私の担任兼魔法使いである、須澤 創だ。
「遅いって、まだ10分も前ですよ?」
「…」
「……もしかして、私が暑いかなーと思って来てくれたんですか?」
「…」
沈黙の須澤先生。
でも、その顔には、私の答えが合っているのを示すかのように、赤みがさしていた。
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