第二章~目が覚めたら異世界で~

7/19
前へ
/852ページ
次へ
「今から、貴方には神の力に覚醒してもらいます」 「いや、だからそれはどうすれば?」 「特別なことをする必要はありません。ただ、自身の中に何か、別な何かがあることを自覚するだけで結構です。貴方は神に選ばれただけの素質があるのですから、切欠は些細なもので十分です」 うっわぁ、また簡単なんだが、難しいんだかわかんないことを……。 まぁ、取り合えず、やりますか? 俺は目を閉じて、自分の中に意識を集中してみた。 心臓があり、肺がある……とか、そんな構造的な話ではなく。 精神面というか、心の奥に感じる僅かな違和感を辿る。 ボンヤリと頭に浮かぶのはイメージ。 「剣?」 洋剣というのか、白に金の装飾がされた、長めの柄。 その刀身は黄金色だが、柄の割りには短かった。 例えるなら、日本刀の柄にサバイバルナイフの刀身みたいな比率だ。 「出来たようですね」 「いや、わかんねぇけど……」 「別に問題はありませんよ。覚醒していなければ、魔物との戦闘で私たちが死ぬだけですので」 「……超冷静な人なのな、アンタ」 俺はゲッソリしながら溜め息をついた。 今後、このお姉様と旅するのかと思うと先が思いやられるんだけど……。 「では、今度は私の番です」 「お?」 レヴァは、俺に近づくと、不意に俺の右手を取り、 自分の胸に当てた。
/852ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11608人が本棚に入れています
本棚に追加