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「せめて、もうちょいリーチが欲しいんだが……」
しょうがない、無謀でもコレで切り込むか。
と開き直る。
往生際悪く
せめて、この位の長さは欲しいよなぁ~と、想像だけしてみると、
まったくその通りの長さで、
「伸び、た……?」
刀身そのものが伸びた訳ではない。
それを纏うように、白い光が日本刀の刃の形に形成されている。
伸縮自在の光の剣ですか?
なら、やることは一つ。
俺は、地面を蹴り、魔物の前へと跳んだ。
たった一度の跳躍で、5メートル弱の距離を一瞬でゼロに出来た。
なんでこんなことが出きるのか、根拠は無いが、とくに驚きは無かった。
これが、
チート(神の力)という訳か。
「――はぁっ!」
そして、俺は下段から上へと斬り上げる刹那で、
刀身の距離を大雑把に10mほどに想像する。
それだけあれば両断するのに事足りるだろう。
重点を置くのは、一撃で切裂く、攻撃力!
単純な破壊の力ではない。
チェンソーのように、光の粒子が毎秒何億、何兆と刀身を往復するような、と研ぎ澄まさせた『断つ』イメージの具現。
それを汲み取った、この剣は地面を割いて、魔物をすり抜ける。
一瞬の間の後、
巨大なライオンは縦に切れ込みが入り、そこからどす黒い血を吹き出した。
左右に2等分されて、肉塊に成り下がったそれは自らの血の海に沈む。
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