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「はぁはぁはぁ、あ~~。何これ、しんどっ!」
俺はフラフラと、倒れそうになりながら、体中を這い回る疲労感に耐えた。
このままぶっ倒れてしまおうかと思っていると
「お疲れ様です、クジョウ リュウ。初戦にしては上出来ですよ」
レヴァがそう俺に近づいてきた。
「あぁ、ありが――」
とう。
と言い切る前に
レヴァは先ほど見た、鎌を俺のように取り出して、躊躇わずに振った。
複数の歪な黒の刃が俺の真横を掠めていく。
振り返ると、さっきの魔物がそのままの形で、左右の腕を俺に伸ばそうとしているところだった。
体を完全に切裂かれても死んでいないってか!?
だが、レヴァの攻撃で今度こそ完全に動きを止めた。
そして、解けるように、霧散して消えていく。
地面を汚した血も、徐々に薄くなっていき、残ったのは、俺がつけた地面の傷痕だけになった。
「――ですが、相手は神の力を持った魔物。最後まで油断は禁物ですね」
「はい、同感です!!!」
レヴァは、軽く頷くと、手にしている鎌を手放した。
それは、光の粒子になって宙に消える。
俺もそれを真似をした。
自分の中にでも戻ったのだろうか?
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