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「意味深な言い方するなのな……。ニュアンスじゃ、遠まわしに死ね、と言われてる気がするのだが?」
俺は少し、むっとしたが、そこまで恐怖や怒りは感じなかった。
実際、一度死んでしまった身からなのか、どうも他人事なきがする。
「そうですね。結果的に、我々の死が、神の復活の礎になるのでしょうか」
……という、彼女も、なんか他人事のように言うのな。
それが少し気になりつつも、レヴァは、
「しかし、それが神の意思。代行者である私はそれを遂行するだけです」
だそうだ。
「随分と、ストイックだな」
俺は溜め息を付いて、重い足を前に出し続ける。
いつになれば村に着くんだぁ~とぼんやり思った。
「しかし、我々の時間は限られています。力の熟成には期間が短いでしょうね」
とも、レヴァは言う。
「あぁ、そうなの?それじゃ、無理じゃん。神様には悪いけど諦めてもらうとするか?」
なんて、軽口を叩いてみる。
いや、実際問題、俺らが生きてるうちに、力が集まらなかったらダメでしょ?
「それでは困ります。なのでとる手段は一つしかないでしょう」
「……どんな?」
俺は欠伸まじりに聞き返した。
「私達と子を残してもらいます」
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