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醜い天体観測
やあ、初めまして。
僕はこの小説の案内人。名前?教える必要なんかないでしょ。
君達には、僕がどんな名前だろうと何も関係はありはしない。『この小説の案内人』が、君達にとって僕の名前でもある。
ま、僕のことは気にしないで、この小説について話そうか。
これから君達は様々な物語の片鱗を見ていくことになる。
どんなに前が知りたくても、どんなに後が見たくても、それは叶わないよ。自分で勝手に想像してね。
そんなに知りたかったら自分で作ればいい。物語の始まりは無限、経過も無限、終わりも無限。無限の中には『存在しない』もある。
君達が見るのは一つの可能性が実現したお話のカケラ。他のカケラは君達の目の前にはないのだから、隙間さえなければ自由に好きな物をくっつけるといいよ。
おっと、また仕事を忘れていたよ。失礼失礼。
さて、これから君達が見る物語の題名は『醜い天体観測』だ。
本当は題名も必要ないとは思うけれどね、僕は。題名は想像の範囲を狭めるかもしれないもの。
でも、見る前なら実に味のある物だ。君達はこの題名を見て何を想像する?
世界の終わり、人の終わり、殺人、恋愛、宇宙、漫才、涙、破壊………。
どれもハズレで、大アタリ。
………かもね。
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