醜い天体観測

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「見えない」 同じだね、僕も見えない。君と僕が見ている物は、違わないようだ。 「見えなければ、ないのと同じ。つまんない」 そうかなあ、僕は思わない。君と僕の考えは違うようだ。 見える物は同じなのに、それに影響される考えは違うって不思議だね。 「急に私の前から消えちゃった」 そうか、君の前にはいたんだね、彼らは。僕の前には一度も現れなかったのに。 「なんでっ、なんでっ、」 泣いてるのかい?ごめんね、僕にはよく見えないから確かなことは分からないんだ。 「もう、一生見えないの?」 そうなの?なら君も、これからは僕と同じだね。 あれ、よく考えたら違うな。考えてることは違うから同じじゃないね。 それ以前に姿も違うから、同じじゃない。君と僕は違う。 おや、何だろう、この光は? これが君の言ってた『星』かい? よく見えないから、わかんない。 「こん、なの、嫌。私は、こんな、の、死にたい」 何が嫌なんだろう。僕に見ることが出来たら理解も簡単なのに。 死にたくなるようなことが、僕の見えない世界で起こってるのかな。 じゃあ僕も思わなきゃダメなのかな? 死にたい。
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