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(蒼井 side)
「うひゃひゃ、マジで!?
謙ちゃんとか超似てるんですけど~!」
「だよな~。
けどよぉー、おいら、それより『大好き』にビビった。」
「確かに!ひゃひゃっ。
でも可愛いからいいんじゃね?」
イチと撮影した次の日。
今度は、メンバー全員での撮影が組まれていて。
携帯のアラームを掛け間違えたおいらと、直前の仕事が早く終わったらしい会田ちゃんが珍しく一番乗り。
こんなに偶然が重なるって…こりゃ、雪でも降るかもしんねぇな。
ガチャ、バタン
「あ、噂をすれば!
ふたりともおはよ~っ!」
「「うるさい、アイバカ」」
「なっ、真似すんなよ。」
「れ、連くんこそ。」
珍しくドアが荒々しく開閉される音が楽屋に響いて。今までまったりとしていた空気が、一気にピリピリと張りつめた。
(コイツら、喧嘩した…?)
「…ねえねえ、
あのふたり…さぁ。」
「う…ん。
大丈夫だ。…この後、謙くんも来るし。」
会田ちゃんが気ぃ遣ってか、ちっせぇ声でぽつりぽつりと不安げにおいらに話しかけてくるけど。
おいらもスマートに対処できる自信もねぇから。
イチと松連が、瞳に涙をためながら、悪態ともつかないことを言い合ってるのを横目に、一刻も早く謙くんが到着することを祈った。
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