Episode 3. たまには喧嘩くらい

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「まつ、…いや、連。 俺にも言えない、かな?」 「っ、ふえっ… わらわ、ない…?」 「ばーか、当たり前だろ。 連が泣くほど悲しかったことを何で笑うんだよ。」 「仕方ねぇなー」なんて言いながら、頭をわしゃわしゃ撫でてやる。…ようやく話す気になってくれたか? ……うん、よかった。 あれから会田ちゃんは「時間調整、頼んでくる」とそっと楽屋から出て行って。 俺と光くんは、それぞれ楽屋の隅の置いてあるソファーに陣取り、話を聞き出そうとしてみたり、泣きやませようとしたりしてる。 イチの様子はよく見えないけれど、ちっこい背中は震えていて。 連もさっきまで俯いたままグスグス鼻をすすっていたけれど、やっとこちらを向いて、ぽつりぽつりと話し始めてくれた。 「あの、ね……? 俺さ、何か変、なんだよ…。 イチがゲームとかマジックばっかだとイヤだし、 構って欲しいし…」 「…うん、」 「イチ、昨日…泊まりにきたんだけど、機嫌悪くて、 けど、俺、無駄に話しかけちゃって、 っ、ひ…き、嫌いって…言われて、ぐすっ」 「…そうだったんだ、 (そろそろ双子ちゃんが結ばれちゃうのか、な?)」 連のすっかり下がりきった肩に手を載せて、ぎゅっと抱きしめてやる。なんか、俺まで切なくなっちゃったからさ。 (なんつうか…娘を嫁に出す父親、いや母親?の気分) 「…ダ、メっ…。 連くんは、…俺の、だもん。」 そんな俺の服を弱々しく引っ張ったのは、イチだった。  
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