憂鬱な女と変人な男

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衝撃的な事実を前に唖然としてしまう…。 初めて生徒会長という人物を目の前にし、落胆が隠せなかった。 「お前が、あの九条院……アシタカさんだというのか…」 こんなのがこの学園の生徒のトップとは…行く末が心配だな。 「そうよ…って、違うわよ!? 私は―――っ…ハァ…まぁ、いいわ…それよりも、知らなかったことに驚いたというか…ショックというか」 正直、女なんてどれもこれも同じにしか見えない…その場に転がっている石ころとしか認識していない俺には無理な話だ。 「…アシタカか、今思えば…名も大して可愛げのない名だな」 情報とは必ずしも事実とは限らない…失念していた。 「いや、アシタカじゃないから明日香(アスカ)だからね」 現実とは決まっていつも悲しいものだ。 それは、いつの時代でも変わることのない事実であり運命でもあり必然的なことなのかもしれない。 今でも理想と現実の狭間で俺の葛藤が続く…。 これが、リアルだというのか…と? 「ちょっと、聞いてるの?」 いつだったか知人(仮)(友人)に借りた漫画という書物に登場したあの小さくて純粋で天真爛漫で生徒会長だけどお馬鹿でいい加減だけど…皆に慕われているような人物が生徒会長なんだとそう思い込んでいた。 だが、目の前にいるこの女は何なんだ? 全然、可愛げのない面をしている…もっと、こう…愛らしい人物を想像していただけに…残念極まりなさすぎる。 「何故…こんなに残念な奴なんだ…ッ」 「本人を前にして失礼な奴ね…でも、そんなこと言われたのアンタが初めてだわ…ははっ」 さらに、落ち込んだと思いきや…少しだけ笑みを浮かべる女。  「しかし、何故、自殺という行為に至った?…何か訳があるのか?」 話が脱線してしまったが…そろそろ本題に入るとしよう。 時間も時間だ…そろそろ警備員が巡回してくる時間帯だ。 「…ウッ…言わないとダメ…?」 「言わなければ貴様は物理的苦痛を伴うことになるが…」 「ちょ、分かったから! 分かりましたから…話せばいいんでしょ」 握り拳を作り、頭上に翳そうとすると、女は渋々小さな声で呟いた。 「…疲れたのよ、自分を偽り続けることに」 そう呟いた女の瞳は何かを諦めたような…それと何故か悲しみに溢れていた。    
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