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「…………ハッ?」
暫く、沈黙が続くと…女はぽかーんと口を開いたまま、俺を見る。
泣き止んだようだな。
そんな女の状態を確認して、尚、話を続行する。
「女はいつだってそうだった。生理が近づくにつれて、急に病んだり、キレやすくなるものだ。」
俺は経験談で物を語っている。妹とがそうであるからな。
我が愛しの妹…アリスの場合は、普段から物静かで大人しい性格なのだが…生理が近づくと攻撃的になったり、もうとにかく苛々していると言うか…不機嫌な状態が続く。
「貴様はどうやら病んでしまうタイプのようだな?」
「いや、だから………ハッ?」
またも口をぽか~んと開けた状態のまま、そう呟く。
「…ふむ」
なるぼど、思っていた以上に酷い症状のようだな。
「おそらく、月経前症候群というモノであろう。 世間ではあまり知られてはいないが…これは、一般女性の八割がこの症状に悩まされているらしい。残念ながら現在の段階で治療法は確立してはいないが、薬物治療や生活習慣の改善によって緩和する――」
っと、そんなことを考えながら前を見ると…何故か俺の顔面目掛けて裏拳が飛んでくる。
「何をする? …女?」
裏拳に対して、その場にしゃがみ込み回避する。
どうやら、両方のタイプだったらしいな。
「それはこっちの台詞よ? アンタは人の話を聞いてなかったわけ?」
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