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「私、痛い子、病んでる子、生理な子…だろ?」
「違うわっ!? アンタは今まで何を聞いていたのよ…後、その『図星だろ?』的なドヤ顔ヤメロやゴラァ~!?」
どうやら違ったらしく怒りを露わにする女。
噂に聞いた人物像とかけ離れているんだが?
言葉も態度も悪いときたもんだ…これだから女って奴は嫌いなんだ。
「…おい、貴様。 本当に九条院アシタカさんか? 噂に聞ていた彼女の情報とかけ離れているんだが、一体…何者だ? 返答次第ではただではすまさんぞ?」
「だから、アシタカじゃねぇわよっ!?」
その場で激しく地団駄を踏む女、…狂ってやがる。
予想通り…悲劇のヒロイン気取りの詐欺師のようだ。
漸く…本性を現したようだ。
ならば、然るべき対処をするまでだ。
「化けの皮が剥がれた様だな…よって、貴様を危険な人物と判断した。 貴様を捕縛させてもらうぞ?」
この詐欺師を捕らえて学園長の爺に突き出そう。
少しでも学園の為に尽くせば俺の評判も回復しるかもしれん。
俺はその場で戦闘態勢に入ると、女はピタリっと止まりブツブツ呟く。
「あはっ…あはは…、もう、いい…」
遂に壊れたか?っと様子を窺っていると…
「アンタを殺して私も死んでるっ…!」
この俺を道連れにする気か…。
凄い喧噪で此方に襲いかかってくる。
「待って、暴力では何も解決はしない…ここは平和的交渉を――」
「ウキャァァアア―――ッ!!」
…最早、会話も困難状態か。
俺も覚悟を決めるしかないようだ。
「…いいだろう。不本意だが、そちらがその気なら全力で無力化するまでだ。 ついでに冥土の土産だ…平和ボケした日本国民が如何に無力だということをその身に叩き込んでやるっ…!」
何故かは知らないが、放課後の屋上で、しかも誰もいない学校で死闘?が始まった。
アリス…、お兄ちゃんは必ず帰るから待っているんだぞ。
きっと、お腹を空かせて俺が帰って来るのを待ちわびているであろう…愛しい妹の事を考えると胸が痛い。
だが、今は目の前の敵に集中するしかない。
「…己の悪しき心と共に消えるがいい。参る…っ!」
そうして…二人の影が交差した。
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