お嬢な会長と朴念仁な変人

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  頭上でもがき苦しみながら俺の手首を掴み、暴れる女を鷲掴む手の力を緩めてそのまま放す。 「―――ッ!? あぅ…ッ」 急に放されて受け身も取れずに尻から着地してしまったようだ。 尻をさすりながら此方を睨んでくる。 「…どうした。生理が悪化したか?」 「何でもかんでも生理基準で考えるんじゃないわよ!?」 「たかが生理現象なのだから恥ずかしがることはないぞ?」 っと気の利いた言葉を言って励まそうとしたが、女は奇声を上げて頭を抱え込む。 やはり、ただ狂っているだけか…最悪の場合は薬物中毒を患っているのかもしれん。 「アンタ、私は女よ? か弱い女の子よ? 普通ここまでする?」 何を言い出すかと思えば、実に下らない。 そんな都合のいいこと言う女を、俺は呆れた表情で見下し笑みを浮かべた。 「…愚かな。 実に愚かで惨めな女よ」 「なっ、なんですって!?」 「現代社会において、女性の社会進出が増加する世の中で、今の貴様の言い分など無に等しい」 「そ、そんなの…関係な――」 「――あるさ、そもそもそれは男が女より優れていると思われていた時代の間違った思想にすぎない」 そんな俺の言葉が癇に触ったのか反論しようとするが俺は自らの言葉で遮る。 「だ、だから…何だっていうのよ」 「世の中には、男より喧嘩の強い女もいるし…男より頭の良い女も存在する。 勿論、女より優れている男もいる…つまり、男も女も平等に優劣を決められる訳だろ?」 今一納得のいかないが表情をしている様子だが、これだけは譲れん。 「お前が言う…女だからという理由など、最早何の効力も持たんのだよ」 全ては平等に…確かに今だに不平等な事は存在するだろうが、それは男にも言えることだ。 「だから、俺は女にも容赦は一切しない。 向かってくるのなら全力で叩き潰す…それが、俺のポリシーだ」 女は反論できないのか…唇を噛んで悔しそうな表情で俺を睨んでくる。 すっかり話が長くなってしまったな…俺は女の前に立ち、手を前に差し出す。 「…あっ、…ありが…あぅっ!? 何すんのよっ!?」 何を勘違いしたのか、俺の手を握ろうとする女の手を思いっきり叩き落とす。 「依頼料百円をよこせ女」 やはり、物事には報酬が必要であろうが。本来なら迷惑料込みで五百円は頂きたいところだ。
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