お嬢な会長と朴念仁な変人

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    この女は明らかに危険だ。 これ以上、この女と関わりを持つのは危険すぎる。 なら、此方の情報を与えるのは得策ではないな。 俺が取るべき最善の策は、敢えて冷たく…まぁ、いつも通りに突き放し、この女との一時的に過ぎないとはいえ、この変な関係を完全に絶つことだ。 「何でもいいのよ!? ほら、アタシの家てお金持ちだしさ!」 一々、鼻につく物言いだな。 無意識なのか馬鹿なのか…無性に腹立たしい。 しかし、しつこい女だ。 ここは、無理難題な事を言って即退散すべしだな。 「あっ、でもアタシの身体をくれってのは駄目だからね? そういうのは…えっと、お互いを愛し合ってるもの同士がするものだし…」 何を勘違いしたのか顔を赤面させて、人差し指を合わせながらモジモジし始める。 成熟しきった人間などいらぬは戯け者が。 「ならば…百人の生け贄を用意しろ。純真無垢な子どもたちを希望する。安心しろちゃんと育って切ったら野に帰す」  キャッチアンドリリース…。 性に目覚めてしまったら種の繁栄の為に野に帰すわけだ。  勿論冗談だがな。 「流石にそれは…いや、誘拐かぁ。 お金で何とかなるかも…わかったわ!」 俺の予想を斜め上を行く答えが返ってきてしまった。 「貴様…もしその様な行為に及んでみろ。 その無駄にデカい胸を切り落としてやる」 「何でよっ!? 私はアンタの為に生け贄を…」 許せんな…生け贄呼ばわりとは…子は国の宝…俺の宝だ。 後、捨てられた子犬のような目で俺を見るんじゃない…駄犬が。 「常識の範囲で物を言え…女」 「な、何よ…アンタが言ったんじゃないっ」 「まぁ…しかし、そこまで言うのならば、ただ一つ俺の命令を利け」 「…命令…あっ! お願いね!? 言ってみなさいよ!」 お願いではないが…勝手に好いように脳内変換したらしいな。 今のうちに笑ってるがいい…今すぐにその表情を絶望へと塗り替えてやる。 乳のデカい女には死を…それが俺のポリシーだからな。 「二度とこの俺に迷惑をかけるなよ。 後、死ぬなら勝手に死ねよ糞女!っていうか胸デカすぎなんだよ! ばーか、ばーかっ!…以上だ」 最後に今までの鬱憤とともに捨て台詞を残して、俺はその場を後にした。    
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