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時は小大名が各地に群雄割拠する戦国時代
ここは美濃国稲葉山城―
一人の少女が縁側にたたずんでいる 肌の色は雪のように白く結ばれた唇は鮮やかな朱をたたえ黒目がちの瞳はまだあどけなかった
―秋も終わりとゆうのになんと日差しのつよい事―
少女は眩しそうに陽を仰いだ
「姫さま」
と二十歳そこそこの侍女が少女に呼びかけた 彼女の名は那津という 那津は少女が3歳の頃より側近く彼女に仕えていた
「那津どうしました?」
少女は両手をついた那津に視線をおとした
「お屋形さまがおよびです」
「お父上さまが?」
少女は怪訝そうな顔をしたが思いあたる節があるのか
「参りましょう」
というと歩を進めた
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