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信長は欲望のまま那津の豊満な躯を貪り尽くすと肘枕で目を瞑った 傍らの奈々は笑みを浮かべ信長の肩に頬を当てた
「美濃さまはそれほどお悪いのですか?」
「…何故か」
信長は目を瞑ったままそう言った
「美濃さまの許へ行かれた後に私とかように肌を合わせるのは初めての事でございます」
「ただの風邪じゃ…後二、三日で床より離れよう 何故奥の許へ行ったと解った?」
信長はそう言うと布団に半身を起こした
「美濃さまの残り香がそこら中に」
奈々も半身を起こした
「残り香の おなごの鼻は恐ろしいの」
信長は嘲笑を浮かべて奈々を見た
「はい おなごの鼻は敏感にございます」
「……」
信長は無言で傍らの単衣に手を伸ばしたその手を掴むと奈々は豊満な自らの胸元へ押し当てた
「もう 少しこのままで…」
「…夕餉の時間じゃ 腹が空いた」
信長は掴まれた手を解くと布団から出て身仕度を整え始めた 奈々はその後ろ姿を寂しげに見つめた
「では 私と共に夕餉を」
「いや 表で食べる 早く着物を風邪をひくぞ」
身仕度を整えた信長は奈々の前に膝を着くと髪を撫でた
「お屋形さまっ」
奈々は信長の首を抱くと唇を重ねた信長もそれに応えたがあまりに激しい奈々の口付けに思わずフッと笑みがこぼれ唇を離した
「お屋形さま?」
「すまぬ 年端もゆかぬにそなたには驚かされる」
「私とて十八存分に心得てございます」
奈々はそう言うと恥ずかしそうに俯いた
「二十までにはわしの子を産め」
信長は奈々の顔を見てそう言うと立ち上がり奈々の居間を後にして表に向かった
奈々は信長の言葉が嬉しくて笑顔を浮かべた
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