それ本当なの? 自称恐怖の七不思議

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それは、7月の初期のそろそろ本格的に夏らしく暑くなってきたある日の午後のある授業中の出来事であった。 「下敷を、うちわ代わりにしないでくださ~い」 あまりの暑さの為に、下敷をうちわ代わりにして扇いでいるクラスメートに向かって、教卓の前に立っていた本日の日直が、下敷をうちわ代わりにしているのを止めるように呼びかけた。 もちろんだが、この暑さの中、誰も下敷で扇ぐのを止めようとする人は現れないどころか、日直に対して文句を言うクラスメートもいた。 「なんだよ! こんな暑さの中、下敷で扇がずにいられるかよ!」 「そーよ! そーよ! だったら、アンタ達はずっと暑くなっても、下敷で扇ぐの禁止だからね」 日直の言う事を素直に聞くことはなく、1人が日直に対して文句を言い出すと、それに釣られるようにして何人かのクラスメートが日直に"下敷で扇ぐの禁止"と言って、文句を言い続けていた。 「下敷で扇がれると、授業が進まないので、止めてくださーい!」 「授業って、ただの自習だろ!?」 なぜ、日直が教卓の前に立ってこんな事を言っているのかというと、本日の家庭科の授業は専用の先生の休養のせいで、この午後の家庭科は自習になった。それで、代わりに本日の日直が教卓の前に立って、家庭科の自習課題を進めていたのであった。 しかし、7月初期の暑い午後の時間に、誰も何かしらの物で扇ぐものがないと汗がダクダクの状態で物事に集中出来ない位の暑さのせいで、クラスの大半の人達は日直の指示を無視してまで下敷で扇ぐしかなかったのだ。 そうやって、クラスの大半の人達が下敷で扇がれると、自習課題が進まないので日直はその行為に対して注意をやらなければいけなかった。 「自習でも、下敷は扇ぐのに使うものではありません!」
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