なら世界を救えば良い 1

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前に大きな建物が見えてくる。 あれが俺達の通っている学校だ。 もちろん普通の学校、今のところ俺達が魔法使いというのを知っているのは他にいない。 校門を過ぎた辺りでチャイムが鳴る。 あれ? 「えっ?」 真奈が戸惑いと驚きが混ざったような顔をする。きっと俺も同じような顔をしているだろう。 いつもならこのチャイムが鳴る時にはもう座っていて・・・ 「あー、ごめん、たぶん時計ズレてた。」 空がまるで「てへっ☆」とでも付きそうな謝罪が聞こえた瞬間には、俺は真奈と教室に向け走っていた。 ☆☆☆☆☆☆ 結局間に合わず、先生に小言をくらってしまった。 うちの担任は、こういう小さい事でもちまちまと責めてくるから嫌だ。 「やあ親友、今日も一緒にご飯を食べよう」 そんな憂鬱な気分でいると、ブロンドの長髪に高身長のイケメンが話し掛けてきた。 「おう、良いぜ」 彼の申し出を断る・・・なんて事はなく、隣の席である彼の机に自分の机を寄せる。 彼の名は織田 智則。ハーフなのだが家の事情で名前は普通に日本人、しかし見た目は外国人だから、名前を呼ばれた時にコイツが返事をするとまず驚く。 まぁ、青髪の俺も人の事は言えないけどな。
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