第一章・―夜の街―

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 夜の、騒がしい街の中を歩く。  すれ違う人達は楽しそうだったり、忙しそうだったり。みんな僕の顔を見ず、だけど巧みに避けて行く。  僕だって同じだ。誰の顔も見ない、見る必要なんてどこにもないから。  今夜は憂鬱な気分になれる塾の日だった。だけど、突然……何だか行く気がしなくなって、塾に通うようになって、初めてさぼってしまった。  心の中にあるのは、ちょっとした罪悪感と解放感。  時間を気にせず歩いていると、縛られる事にストレスを感じていたんだと、今更のように実感が沸く。  そして小さな絶望が胸をよぎる。
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