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絶景を眺め終える頃、みずきはうまい棒の存在に気が付いた。
「ねぇカープ君、いっしょにうまい棒食べようよ 」
今度はカープが不思議そうにした。
「うまい棒って何? 」
みずきは少し驚いたが、食べてみるのが早いと思った。
「木の根元に袋があるでしょ。 あれに入ってるんだけど・・」
みずきはようやく木の上にいることを理解し始めていたので、下に降りるのが怖かった。どうやって取りに行こうかとみずきが首をかしげて考えていると
「なら僕が取ってくるよ! みずきちゃんは目をつぶっててね 」
みずきは目をつぶりたくはなかったが、このままカープを見ていては下を向くことになってしまうので怖くてできなかった。
言われるがままにしばらく目をつぶっていると、カープは右手に袋をつかんだ姿でみずきの前に立っていた。
「はい、みずきちゃん 」
みずきはカープから袋をもらうと、中から二本取り出してカープに渡した。カープは不思議そうに受け取り、うまい棒をいろいろな角度から観察した。
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