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小道は山の頂上に行く道のようで、くねくねと曲がりながらも徐々に山の頂上に近づいていく。
しばらくすると開けた野原が広がっていた。そこの中央には大きな木が一本立っていた。これは幼稚園の頃にみずきが神主さんから聞いた、八千代桜の木である。
春になると、その木の下には花見客でいっぱいになる。しかしその後ゴミが散らかった状態になり片づけが大変であるともみずきは聞いていた。
みずきは木に近づいていき、さっきの男の子をキョロキョロと見回して探した。けど見つけることができない。
「ここだよここーー! 」
ふと木の上を見上げると、さっきの男の子が八千代桜の幹の分かれ目に上手に座って、顔いっぱいに笑顔を浮かべていた。
「君も一人なら僕と遊ぼうよー 」
男の子は笑顔のまま手を振りながらみずきに誘ってきた。みずきも友達になろうと考えてついてきていたのでとてもうれしかった。
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