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目が覚めた。 時刻を確認するために枕元の時計を手に取る。 六時半か……。 二度寝すれば時間通り起きる保証はない、それどころか完全に遅刻するだろう、そう結論付けた僕は行動に移る。 いつもよりかなり早い時間に起きた為、スローペースで行動しても余裕があるくらいだ。 床に敷いてある布団を綺麗に畳んで部屋の角に置き、洗面所で顔を洗い、歯を磨き、台所で買い置きの惣菜パンを無造作に手に取り、部屋の真ん中床に座ってパンの袋を丁寧に開けて、ゆっくり食べる。 呆けた顔といい、行動といい、まるでナマケモノのようだ。 この状況を見た人に、「普段はこうではない」と言っても誰も信じはしないだろう。 まぁ、現にノロノロ行動しているのだから、弁解するつもりは無い。 最後の一切れを口に放り込んだところで時計がけたたましく鳴り響いた。 もうそんな時間か……。 パンの脱け殻を丸めてゴミ箱に投げ入れて、鳴り響く時計を止めて、寝間着から制服に着替える。先程とはうって変わってテキパキと身支度を進める。 時刻は七時四十分、今日は月曜日だから叔母さんに捕まる日、そろそろ出ないと間に合わなくなるかな。 僕は学校に向かうため、家であるアパートの一室を後にした。
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