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家を出て、鍵を閉めると―― 「リョウくーん!」 「――ふブッ!?」 ――横から叔母さんが勢いよく抱き付いてきた。 抱き付くのは毎度の事だがこのパターンは初めてだ、いつもならアパートの門付近で僕が叔母さんを認識してから身構えるまでの余裕があるのだが、今日は不意打ちを喰らう羽目になった。 しかもふくよかな胸で僕を窒息させようとしてくる。 「会いたかったよー? 今週も何事もなかった? 怪我してない? お友達と喧嘩とかしてない? 無事だった? バージン失ってない?」 意味不明な質問も毎度の事だが、苦しい……そろそろ離してくれないと息がし辛い。 その棟を伝うようとするが上手く喋れず、フガフガと自分でも何を言っているのかわからない言葉になってしまう。 「なーに? もっとギュッてしてほしい? わかった!」 いや、全然解ってないですよ、寧ろ逆に解釈しているし、というよりも自分の都合の良いように解釈して……それよりも苦しい死にそう。 手足をバタつかせ、全身で「苦しい、ギブアップ」と表現してみる。 「そーう? そんなに嬉しい?」 全く通じていないようだ。
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