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この場合の『子供を見る』とはどういう意味か?
『面倒をみる』のか、はたまた『様子をみる』のか、いやもしかしたら『状況をみる』のかもしれない。
そもそも僕は子供の事が好きな訳ではなく、子供が遊ぶこの自然が好きな訳で、では子供は居なくても良いのかと言えばそんな訳はなく、『子供+自然』が好きなのだから子供は必要で、でも即ち子供が好きとは限らない訳で……。
と、考えてしまう僕はなんて馬鹿なのだろう。
他愛もない些細な会話をこんなに難しく考えてしまうなんて。
そんな僕が出す答えは何時も曖昧で、今回だってきっとロクな答えじゃないんだろうけど、何か出掛かっているこの曖昧な答えを口に出さない訳にもいかない。
下手に会話を終わらすのは失礼だし、それに折角彼女から初対面の僕に話しかけてくれているんだ、答えないのはやっぱり失礼だろう。
僕は軽く考える素振りをする間に脳をフル回転させて、そして彼女の目を見てこう言った。
「眺めるのは好きですよ……?」
その時の彼女は、まさに面喰らった顔というのだろうか……とても驚いていた。
そしてクスリと笑うとこう言った。
「やっぱり」
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