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「……え?」
思わず聞き返してしまったが、驚いたわけではない。
唯、彼女の言葉を不思議に思っただけ……。
「でも嬉しいな、僕と同じことを言ってくれる人に会えて」
今度は驚いた、どうやら彼女の一人称は「僕」らしい。
初めて会った、自分のことを「僕」という女性。
「ねぇ、少し質問してもいい?」
「……はい」
二つ返事……断る理由なんか無いから。
「歳は?」
「十五」
「勝った!僕の方が歳上~」
どうやら彼女は「お姉さん」らしい。
「誕生日は?」
「終戦記念日です」
隣のお姉さんは二、三回頷く。
「じゃあ、身長!」
「……百六十八センチ」
あと七センチは欲しいところだ。
「やったぁ!僕と一緒!」
とても嬉しそうに、しかし小さくガッツポーズをするお姉さん、実に器用だ。
ガッツポーズの意味は解らないが、僕は少し胸に熱いものを感じた……気がした。
「体重は?」
「五十八です」
「あぁ、少し重いんだ……」
今度はなんだか残念そうだ。
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