7/8

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
流れだした気まずい沈黙を、微風が拐っていった。 「大丈夫。今日は暖かいから全然ヘッチャラだよ」 笑顔で返す彼女に「他に聞きたいことは?」と言われて、他に大してに聞きたいことがあるわけではなかったが、必死で質問を考える僕。 「じゃあ……身――」 (身長はさっき同じだって言ってたから――) 「体重は……?」 「それ、女の子に聞くぅ?」 「あ……!」 またやってしまった……。どうして僕はいつもこう人を不愉快にしてしまうんだろう。 「……すみません」 「いいよ、気にしないから」 そう言って微笑んだ彼女は何故かとても嬉しそうに見えた。 「他は?」 あとは―― 「誕生日は……?」 「わかんない。てか教えな~い」 自分の誕生日を知らない人っているんだ。 「でも、君と同じ星座だよ」 「そ、そうですか」 ということは七月後半から八月前半か……。 「こら」 小突かれた。 「余計な詮索をしない」 頬を膨らませている……この人はとても表情豊かなんだなと僕は思った。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加