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流れだした気まずい沈黙を、微風が拐っていった。
「大丈夫。今日は暖かいから全然ヘッチャラだよ」
笑顔で返す彼女に「他に聞きたいことは?」と言われて、他に大してに聞きたいことがあるわけではなかったが、必死で質問を考える僕。
「じゃあ……身――」
(身長はさっき同じだって言ってたから――)
「体重は……?」
「それ、女の子に聞くぅ?」
「あ……!」
またやってしまった……。どうして僕はいつもこう人を不愉快にしてしまうんだろう。
「……すみません」
「いいよ、気にしないから」
そう言って微笑んだ彼女は何故かとても嬉しそうに見えた。
「他は?」
あとは――
「誕生日は……?」
「わかんない。てか教えな~い」
自分の誕生日を知らない人っているんだ。
「でも、君と同じ星座だよ」
「そ、そうですか」
ということは七月後半から八月前半か……。
「こら」
小突かれた。
「余計な詮索をしない」
頬を膨らませている……この人はとても表情豊かなんだなと僕は思った。
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