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「ちなみに、歳は教えないけど君よりお姉さんだよ」 それもさっき言ってた。 いや、さっきから僕は彼女が聞いてきたことを繰り返し聞き返しているだけだ。 他に何か話題はないか……と考えた矢先―― 「ふぇッ――くちゅん!」 ――と彼女が奇妙な声をあげた。 今の……嚔をしたのか? 呆気にとられる僕。 「ごめんね、やっぱり少し寒いかも……」 そう言うと、彼女はベンチから腰を浮かした。 「でも良かった……、やっと見つけられた……、君に会えたもの」 見つけられた? なにか探し物があって、それを見つけたところで、たまたま近くのベンチに居た僕に会った……何を探していたんだろう? 聞いてみようか……いや、詮索しない方が良いな。また小突かれそうだし。 「本当にここまで長かったなぁ……」 そんなに長時間探していたのか、それは疲れただろう。 「それじゃあ、僕はそろそろ帰るね……」 彼女は僕に背を向けたままそう言った後、振り向き満面の笑顔で―― 「またね、奥津城龍くん」 ――と言ってその場を去った。
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