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「どうした?帰らないのか?」
初めて話す割にきつい口調で聞いてくる神崎君
私は気にせず話しかけた。
「いやーー、このまま帰っちゃたら私来た意味ないじゃん。だから少しお話ししようかなって思って。」
「…話?」
「うん、例えばお互いに嫌っている担任の話とかね。」
「面白いな、おまえ。わざわざ嫌いな先生と一緒に見ず知らずの俺の見舞いにきたのかよ。」
神崎君の冷めた顔が嘘のように笑顔がかわる。
「悪い?仮にも担任なんだから嫌いでもある程度媚び売らないと…神崎君が極端過ぎるだけだよ。」
「ハハッ、確かにそうかも。でもやっぱり俺には出来ないわ。」
「うん、その気持ち分かる。私も夢が無かったらあんな態度とってないよ。」
段々と体調が悪くなっていく私の体。
正直今の状態で夜遅くまで起きるような受験勉強ができると思わない。
だから少しでも確率を上げるために推薦を取らないといけない。
「夢?」
「あぁ、うん…私の夢は大学生になることなんだ。でもちょっと勉強がきつくてね…推薦を取ろうとしているわけ。」
今私はこの夢に一応ながら誇りを感じている。
笑われること覚悟で私はどうどうと『夢』を神崎君に伝えた。
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