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「そうか…すげぇな。俺夢なんか無くてよー。羨ましいよ。」
私は返ってきた言葉に驚き目を開く。
バカにされると思ってたのにそれを良い意味で裏切られだ。
「大学生だよ?夢がないとか思わないの?」
「うん、別にいいんじゃね。夢が全く無いより大分良いじゃん。リアルに叶いそうな夢だしさー。」
私の病を知らない人に初めて褒められた夢。
嬉しさが込み上げてくる私にもって彼と話したい――そんな気持ちが生じる。
が…そこで初めて病院に長居していることに気付いた。
病のこともあり、両親は私が帰ってくるのが遅いとすぐに心配する。
私は席を立った。
「ありがとね。もう帰らないといけないからじゃあね。また来て良いかな?」
「いいよ。何かおまえと話すの楽しいし。担任は勘弁だけど。」
フフっと笑い私は今度こそ病室から出ていった。
パタンとユックリと閉じるドアとは対照に私の心は大きく踊っていた。
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