日常

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でも二十歳まで生きられないと言われた私には十分すぎる大きな夢だ。 最低でも18歳までは生きないと叶わぬ夢なのである だから事情を知らない先生に 「書き直したらどう? 就きたい職業はないの?」 と言われても決して夢を変えることはしなかった。 私は無事中学生となった。 両親はそれだけでバカみたいに大騒ぎ 前からそういうのが妙に恥ずかしかった私はこれを機に「これからは病気もない普通の子どもと思って接して」とお願いした。 こう言ったことは今も後悔はしていない。 中学2年生の冬 私は体育の授業でマラソンをしていた。 いつものよう走っていると胸が突然苦しくなった。 ただの疲れによる息切れではない。 こんなの初めて……。 私はそのまま意識がなくなった。 次に目が覚めたのは保健室ではなく病院だった。 ゆっくりと起き上がると、私の周りにパパとママがいた。 心配そうに私を見ている。 私の病はやはり進行していたみたいだ。 私はとうとう高校2年生となった。 夢の大学生まではあと2年 でも私の身体はもう運動ができないものになっていた。
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