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私がそう考えていると、友梨が荷物を机の上に置いてやってきた。
手には何か握られている。
私はなんだろと思って見ていると
「誕生日おめでとう」
と言って手に持っているものを差し出してきた。
そう言えば前に言ったっけと思いながら笑顔でうけとる。
貰ったのは熊のキーホルダーでビーズみたいなので繋がれている。
私はさっそく自分の携帯につけた。
「ありがと。」
私がお礼を言うと、友梨は満足げな笑みを浮かべると、時間を見ていそいそと自分の席に戻っていった。
私は友梨が席に着いたのを確認すると小さくため息をつく。
(私の寿命もあと長くて3年か…)
こういったプレゼントは単純にうれしいが、誕生日自体は寿命を突き付けられているようであまり好きではない。
両親も小さい頃は祝ってくれていたが、ここ2年は何も言わなくなっていた。
ガラガラ
それからすぐ扉が開き先生が入ってきた。
去年と同じ担任のようだ。
私は再びため息を吐く。
ちょうどその時始業を告げるチャイムがなった。
今日も一日が始まったのだ。
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