開戦

8/10
前へ
/26ページ
次へ
やがて、戦を終える笛の音が鳴った。 親方様や他の武士も帰っていく。 俺も戻ろうと村へと足を進めた。 帰る途中よく見る顔が倒れているのを見つけた 「・・・和流・・・・」 そう。それはルームメイトでもある和流だった。 「お前、しんだのか?」 当然だが和流は答えない。 「ふん・・・」 だから言ったのだ。恐怖すれば死ぬことになる。と 俺の頬に何か冷たい物が当たる。 空を見上げると雨が降ってきていた。 雨は俺の髪と服をじっとりとぬらす。 毛先から滴る水滴は赤く濁っていた 血の色のようだ。帰り血が髪に付着していたためだろう。 俺はその場に座り込むと目を閉じた。 雨の感覚が心地よいが、同時に冷たくもあり胸に何か嫌な思いが走る。 「俺は、、命を何だと思っているんだろう・・」 俺の問いの答えてくれる人は一人もいなかった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加