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「でも、少女が16歳になったある日、村は突然、襲われ多くの人が死んじゃいました。」
俺は複雑な気分でいっぱいだった。
おそらく彼女が言いたいことは・・・
「私は走り続けました。
走って、走って、でもこけちゃって、気を失っちゃいました。」
少女の目にはうっすらと涙が見えた。
「戦が終わって、村の方を見るとそこはまさに地獄のようでした。」
「でも、少女は何となくうれしかったのです。おしまい。」
「俺に、謝ってほしいのか?」
俺はポツリと呟いた。
少女は首を横に振った。
「そうじゃないよ。お礼を言いたいの。」
「お礼?」
うん。と少女は頷き立ち上がった
「私ね、あの村嫌だった。
ずーっと、ずーっと長い間閉じ込められて、痛い事されて・・。」
その時気づいたが少女の左の足首には太い鉄の輪がくくりつけられている。
「うれしかったのか?」
「ううん。 ちょっと悲しかった。」
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